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戸建分譲住宅を検証してみる

定期借地権制度、定期借家権制度と相次いで法は施行されている。
しかし、それらは現行の法的な不備を埋めるだけのインパクトは持っていない。 国にとっても物納された住宅は処理が難しい。
国民にとっても住宅地価が大きく乱高下することは厄介ものに映る。 もう少し住宅価格に関する政策が打ち出されてもいいのではないか。
本当に必要なことは、価値観が多用な時代に良質な住宅とは何か、それはいくらが妥当なのか、そのためには何が必要かということを今一度考え直すことである。 相次ぐ「土地政策の愚策」を防ぐには、やはり不動産の価格メカニズムについてもう少し踏み込んだ研究が必要ではないか。

そもそも時価とは市場での価格である。 市場価格とは当然参加者が決定する価格とほぼ等しい。
しかし、欧米と異なり、日本では不動産を土地と建物に分ける慣例が存在する。 裏腹に、「土地神話」が存在したように、土地偏重主義が蔓延していたのも事実である。
この考え方は、経済が順調に推移し、穏やかな資産インフレがあって初めて論理的となる。 実際に永遠の発展は有史以来存在していない。
ただ、土地は大きな地殻変動がないかぎり、いつまでも同じ場所に存在するのみである。 また、市場(マーケット)と言っても、その範囲はきわめて広く、暖昧なのが事実だ。
つまり、情報は常にオープンとは限らない。 したがって、デファクトスタンダード(事実上の標準)も存在しないかもしれない。
今後、日本における不動産の評価に対して大きな変化が生ずると、従来の「土地偏重」があだとなる可能性もある。 不動産の証券化や不動産ファンドなどで、投資家数が従来に比べ不特定多数となることが予想される。
その結果、透明性のある時価でその説明に説得力がなければ、その不動産価格をもって時価と表現するには無理が生じてくる。 すなわち、恐意性が働いている価格は、投資家からすれば敬遠する対象になっていく。

同様の商品が市場に増えれば相対比較が可能になり、しかも利回りなどによる競争力が投資家の投資判断材料となっていく。 これまでのように相対取引が中心で、数少ない当事者が納得できる範囲での取引であれば、これをもって標準的な取引事例とすること自体にも疑問が生じてくる。
標準というのはより多くの参加者が納得することを必要とし、一部の窓意的な、都合上の、片務的な理屈をもってそれを市場と呼ぶには少し無理がある。 閉鎖的な情報開示、参考資料不足、暖昧な説明など、過去の呪縛を引き継ぎながら権威主義的な対応を続けていると思わぬしっぺ返しが待っている。
一方で、不動産の証券化や不動産ファンドでは情報開示が前提となる。 その結果、特定資産となっている不動産の時価情報は他の不動産情報とともに収散されていくことになる。
市場では正確で適正な判断材料が開示されている価格が歓迎される。 客観性が増すと、当然のように標準化が進んでいく。
しかも、不動産が金融化によって有価証券として流通していくと、他の株式や債券と同様に市場がその価値を決めていく。 市場価格がすべてではないものの、市場の声はその価格を決め、不動産金融商品市場が不動産の価格に反映されていくことにも繋がる。
ただ、株式市場や債券市場の乱高下と直接的に連動することがないという事実は99年に起きたアメリカの事例でも証明されている。 そこは、もともとがやはり不動産たるゆえんでもある。
そして、思惑買いや仕手筋のような動きを排除できれば、不動産の時価が有価証券の価格に反映されることになる。 これからの時代、不動産の時価評価はさまざまな分野で要請されることになる。

しかし、一方で時価把握に対する準備は必ずしも整っているとはいえない。 時価評価への早急な対応が今後の日本経済の発展に不可欠なことは必至であろう。
「不動産の時価はわかりにくい」という話をよく耳にする。 その理由として、一般的には、不動産マーケット情報が一般にはあまり開示されないこと、プロの間での取引が多いこと、そして評価理論そのものもが広く知れ渡っていないことなどが言われている。
しかし、ふだんの報道などをみても、不動産市場が低迷しており、時価が確実に下落していることは想像に難くない。 そんな今、「収益還元法によって求めた価格が時価である」といった見解をよく見受ける。
これは一体何を意味するのであろうか。 そもそも、不動産はどれ一つをとっても同じものが存在しない。
需要と供給によって売買や賃貸が行われ、利用する者によってもその価値(=Value)は千差万別である。 しかし、一般的に提示される価格(=Price)は画一的なものであることが多い。
このギャップを日本ではなかなか埋めることができなかった。 バブル崩壊後、日本の地価は確実に下落を続けている。
公示価格も9年連続下落となっており、ピークの10%程度に下落した地点も少なくない。 今や実勢相場が公示価格を下回るのは当たり前で、せいぜい路線価(公示価格の80%相当)程度という感覚が根付き始めている。
一方、大都市圏の一等地などでは不動産の証券化や不動産ファンド用の不動産への需要により、ミニバブル的な現象が発生し始めている。 民間によるオークションも行われ、優良物件であれば、入札価額は時として理論値の数倍にもなっている。
この落札価額をもって不動産の証券化や不動産ファンドの時価という評価がなされると、このしわ寄せは間違いなく投資家にリスクとして転嫁されることになる。 したがって、この異常な価額ばかり見ても、取引の参考とはならないことを共通認識とする必要がある。
日本では不動産におけるインデックスが整備されたり、ベンチマークとなる指標が認知されているわけではないし、会計面や税務面とのリンクも不完全である。 もちろん、完全な指標などあり得ないが、実務上はあまりにもケース・バイ・ケースの対応が行われているのが現実で、理論よりも理屈ばかりが優先される傾向にある。

金融機関が行う担保評価においても、周辺の不動産取引(売買)、建築費を前提とした原価主義に基づく簡便法で不動産評価が行われてきた。 90年に不動産の収益性があまりに低いことから、再検証の意味で「収益方式」採用の重要性が説かれた場面でも、ほとんどの金融機関が、不動産価格の下落など考えられないと無視し続けた。
これまでの自らを否定するわけにもいかず、「先送り」や「隠す体質」で世間の目をなんとかごまかすことができた時代だった。 このような経緯から、日本の不動産における時価評価は暖昧になってしまった。
簿価はいくらでも調節できるのであるから、その評価は自在に操れる品物となった。 少し前までは経営の失敗も含み益がある不動産の売却がすべてかき消してくれた。
関連会社との売買によって不動産は利益調節の道具として自由に活用できた。 しかし、今、それらは膨張を重ね、現在のコントロール不能な不良債権問題を生んだ。
そして、今では企業倒産の主要な要因にすらなってしまったのが現実である。 では、そもそも不動産自体や不動産市場にはどのような特徴があるのであろうか。
と考えられる土地は、埋立等を除いて再生産ができない。

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